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2017年9月6日(水)― 9月20日(水)
11:00~18:00(土曜、最終日は17:00まで)日曜/祝日休廊
高島進 略歴
1959 兵庫県生まれ
1990 第16回日仏現代美術展/日本テレビ奨励賞
1997 第2回昭和シェル石油現代美術賞展/奨励賞
ABC美術コンクール/優秀賞
1998 第3回アート公募99企画作家選出作品展/ギャラリー賞
2000 第14回多摩秀作美術展/大賞
2002 第11回青木繁記念大賞公募展/優秀賞
2007 第5回現代日本美術会賞審査員特別賞
*ギャラリー舫、Shonandai MY Galleryなど個展多数
高島進の絵画は、「素材の、素材による、素材のための絵画」 です。
例えば、〈筆、インクと紙のためのドローイング〉。
・・・これはにじみの少ない和紙にインクを含ませた筆で幾本もの線を描いた作品です。一本目の線をフリーハンドで画面の周辺をなぞるように引いたら、二本目はその内側に出来るだけ一本目に沿わせて引いていき、さらにその内側に三本目を引く。そのような反復を、時間をかけて、想像を絶する忍耐強さで画面を埋め尽くすまで行います。インクを含ませ、一筆で描く線は、描き始めが太く、徐々に細くなり、やがてかすれていきます。
一方、《鉛筆削り、色鉛筆とキャンバスのためのドローイング》は、鋭く削った色鉛筆の線が、毛筆とは逆に最初は細く、ペン先が磨滅することで次第に太くなります。また、«金属筆と紙のためのドローイング»では、硬質な素材で何度も圧をかけるため、紙は凹み、やがて波打ちます。
作品は、「素材」の変化と、フリーハンドによる微細な震えを伴って描かれる線の集積から成り立ちます。できるだけ自らの意思を抑え、あらかじめ設定した原則の中で、システマティックに反復して描くことで、扱っている素材固有の特性が自ら現れてきます。その画面は、まるで山の尾根を上から眺めているような立体性と、微細な振動(運動)、そして紡ぎだされた時間をも、見る側に伝えるでしょう。
高島にとっての絵画とは、作家の『内なるイメージを表現する場』ではなく、素材(画材)の『内なる個性を浮かべる場』です。
作品のタイトルは、クラッシックの器楽曲のタイトルが「ピアノとフルートのための音楽」など「楽器のための音楽」となっていることに倣っています。そこには、絵画を素材自身の「内なる個性」を表現する場と考えることで、絵画と素材の本来の関係を反転させるような作品を創作したいという思いが込められています。