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『蓼科の花束』より「わたしのきつね」
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2002年5月20日(月)― 6月1日(土)
戦前戦後を通して「子供のための美術」を提唱し続けた洋画家中尾彰の童画にスポットをあてた企画展です。中尾彰は絵本や教科書の挿絵を数多く描いてきました。そのなかで作家自身の著作である「あかいてぶくろ」、キンダ―ブックにおさめられた「おとうさんのどんぐりのき」などを中心に童画を約20点、、またアトリエのあった蓼科の風景を描いた水彩画なども展示致します。
中尾彰にとって童画の仕事はサイドワークでありましたが、作品には子供たちに本物の豊かさを感じてほしいという願いが込められています。ほとんどがキャンバスに油彩で描かれており、洋画家の仕事として十分に見ごたえのあるものであります。
中尾彰(なかおしょう)1904年―1994年
津和野に生まれる。独立美術協会会員。
昭和16年より脇田和氏、大沢昌助氏らと共に「子供のための美術」を提唱し数百種の児童出版物、新聞、教科書等の挿絵を手がけ日本童画界に貢献。児童文学者坪田譲二氏の挿絵のほとんどを手がけ、また梅崎春生氏、吉行淳之介氏、今西祐行氏らの絵本の挿絵を描く。
文芸誌「日暦」の同人で、「あかいてぶくろ」「美しき津和野」「蓼科の花束」詩文集「人生」など自身の著作も多数ある。
1980年児童文化功労賞を受賞。