最近５年にわたり、「風景」を中心に製作している。しかし、"物語としての"「風景」自体は目的ではない。

様々な素材を用いることによって"素材としての物質そのもの"と、"風景の空間・世界"とを同時に往来出来ることを狙いとする。同時に相反する両極の感情を喚起することの出来る、時間的にも距離的にも瞬時に行き来する事の出来る両面 創りを目指す。明るいのに淋しい、遠くて近い、限りなく大きいものと小さなもの、表側と裏側・・・。同時に沸き起こるそれは、人間が心をひきつけられるモノに共通 した根本的で複雑な感情であると思えるからだ。その両極を含んでこそ深い感動があり、観る者に新たな世界を構築させるきっかけを与え、そして何よりもそれは現実そのものの真理である気がするのだ。

坂本佳子

1968 大阪府生まれ、東京に育つ／1993 多摩美術大学大学院油画修士課程卒業／1991　レ・セ'91展(フジヰ画廊モダーン企画)／1993　LA TAMA'93展(セントラル美術館アネックス企画)　東京セントラル美術館'93油画大賞展招待出品 (セントラル美術館アネックス企画)／1994　ADIOS AMIGO展(彩林堂画廊企画)／1996　赤木巳恵　坂本佳子展(佐藤美術館)　若手作家シリーズ展(佐藤美術館)　美術の現代6人展(井上画廊企画)／1997　「奥野健男と多摩美の作家たち」展(電通 恒産画廊企画)／1999　ギャラリーイセヨシセレクション展(ギャラリーイセヨシ企画)／1999, 2000　「風を見たか」展(電通恒産画廊企画、松山三越　東邦アート企画)　他個展、グループ展多数